本を嫌いになる方法
12月1日土曜日、児童会館で絵本フェスティバルがあった。翔南舎の塾長が教育委員会の後援なども得て行ったイベントである。地元の読み聞かせサークル、人形劇団、芽室の人形劇団、そして、写真家の小寺卓矢さんと北海道子どもの本連絡会代表の今本明さん(芽室西中学校)。
北海道子どもの本連絡会は、北海道の子どもの本に関わる人たち(読み聞かせサークル、図書館司書、教員、保育士、主婦、作家・・・)で結成している組織だ。私の母はこの連絡会の元事務局長で、今本さんは代表、ということで、私は今本さんが青年教師として私の現任中学校にいらした頃から知っている(私はまだ中学生だった、多分)。今回も今本さんの教え子のみなさんがたくさん会場に集まっていらした。
さて、今本さんの講座タイトルは、「本を嫌いになる方法」。要するに「逆説」的発想で、本好きになる子供たちを育ててみるのに、育たない方法を考えてみたらどうだろう、という内容だ。おもしろかった。メモしてきた。「本を嫌いになる方法」。
【自分編】
1 自分で絶対買わない
2 図書館に近づかない
3 毎日テレビ3時間、ゲーム3時間やる。
4 本を読むと成績がよくなると思い込む
5 本を姿勢を正しくして読まなければならないと思う
6 毎日本を読むようにうるさく言われる環境を作る
7 一日に読むノルマを決めて読もうとする。
8 例え間違って読んでしまっても本の話を人にしない
9 本を読んだら必ず感想文を書く
10 国語の教師か作家になる
【親編】
1 読みきかせは絶対しない
2 本は絶対買ってやらない
3 読んだ本の話を子供にしない
4 成績があがる漢字できるから本を読めと毎日言う
5 だらしない姿勢をで本を読むなとしょっちゅう注意する
6 仕事や勉強がある時は、本を読んでいる最中でも頼む
7 テレビもゲームも携帯も何時間でもやっていいと言う
8 自分が本を読んでいる姿を子供には見せない
9 本を読んだら必ず感想文を書かせる
10 国語という教科を子どもの前で馬鹿にする
この日、会場には延べで100人くらい集まっていただろうか。こうしたイベントが何度も何度も行える、そういう町ならいいなあ、と思う。小寺さんの写真も本当にステキだった。森へ行きたくなった。
私は御存知の通り、授業で読み聞かせをする教師である。でも、実は、それ以前に、教室にたくさんの絵本を持ち込む教師だった。今本さんは、今も、学級開きでは必ず絵本を読むそうだ。考えてみれば、私は学級がなくなってしまったからだろうか、何年もあまり絵本を読んでいない。私の授業と学級づくりの肝には、絵本の読みあいがあった。何度も教師をやめようと思ったことがあるが、その都度、私を救ってきたのは、絵本の読みあいであった。もう一度、原点に戻ってみようかなと思っている。
村中李衣さんの『絵本の読みあいから見えてくるもの』(ぶどう社)を読み始めた。教護施設や老人医療の現場で、村中さんが行ってきた「絵本の読みあい」の記録である。読みやすい本だ。私はこれまでも、村中さんからありとあらゆることを学んできた。今回も、職員室で読み始めたのだが、涙がこぼれそうになってしまう。私のペア学習やグループ学習についての考え方も、ワークショップ的な発想も、源流まで遡ると、全て村中さんの読みあいに到達する気がする。私が本当に学校でやりたいことは、きっとこういうことなのだな、と思う。野中信行さんの提唱する「二人だけの物語をつくる」というにも通底するものがある、だから私は、考え方の面ではずいぶん違っているはずの野中さんに共鳴するのだと、自分を分析している。
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